PDに聞きました「あなたにとってのPDとは?」
プリンティングディレクター(以下PD)は、お客様の理想を印刷物に再現するための核となる存在です。そんな重要な役割を担うPDに、彼らが考える「PDとは?」を聞いてみました。
〈Q1〉あなたにとってのPDとは
〈Q2〉その理由
●高 智之
〈A1〉
理解、技術、そしてユーモア
〈A2〉
アートが好きなんです。ゆえに休日は美術館やギャラリーに行くのが日常になってます。
そして私がアーティストと会話ができるのは図録や写真集を作る仕事をしてるからだと思います。
仕事に感謝できることの幸せ。そして世にいろいろな情報を与えてくれる素敵なアートにも感謝しつつ、卓越した技術でそれに応える。あとは小さなユーモア。その全てが私のPDスタイル。
●広瀬 正周
〈A1〉
ブックエンド
〈A2〉
デスクや棚の本を側面からしっかり支え、体裁を整える役割。決して目立つ存在ではない。
機能性や利便性が優先される一方、ブックエンド自身の色やデザインにより、その空間に少しのアクセントを加える事もできる。
●黒田 典孝
〈A1〉
印刷コーディネーター
〈A2〉
様々なクリエイターとのコミュニケーションの中から作品に込める様々な想いを受け止めて、印刷、紙、インキの特性を経験則に基づき考慮しつつ、クリエイターの表現したいイメージの印刷物の完成を追求していくからです。
●西谷内 和枝
〈A1〉
クライアントの想いを最終工程まで繋げる橋渡しをする役割がPDである。
〈A2〉
営業とPD以外は一冊の本を作り上げるなかでお客様と接することはほとんどありません。
現場の方々に如何にこの本が大切でどんな想いが込められているのかを伝えられるのはPDだけであると思っていますし、本の出来栄えに関わる重要な役割を担っていると私は思います。
●田中 友野
〈A1〉
夜道
〈A2〉
時折、真っ暗な夜道で途方に暮れるかのような心持ちになる。版のつくり、機械にインキ、紙と水、気温に湿度。そして運。色も見えない夜闇の中では、色彩感覚は助けてくれない。
「こっちに進もう」と嘯ける勇気のほうが寄る辺になりうる。
質問を通して
表現はさまざまですが、仕事への情熱と責任感、クリエイティブなアプローチ、コミュニケーションと協力を重視する姿勢が共通して見て取れました。自らの存在意義や役割を深く理解し、プリンティングディレクションという仕事に真摯に取り組んでいることがわかります。
PDの存在は、印刷の技術だけではなく、人との繋がりや共感力が作品に命を吹き込む重要な要素となっています。