【作品解説】2025 YPP CALENDAR
弊社が2005年に導入した10色印刷機「HEIDELBERG SPEEDMASTER SM-102-10-P6-S」をきっかけに取り組んできた自社ポスターカレンダーシリーズもちょうど20年目を迎えました。
これまで10色印刷機を活用し「滑らかで広い色域再現」と「製版技術の可能性」を追求してきましたが、昨年からはカレンダーの名称を「YPP 10Colors calendar」から「YPP CALENDAR」へ変え、印刷機・手法・色数の制約を取り払い、より柔軟にグラフィックデザインの再現に向け取り組んでまいりました。
また、これまで18年間本プロジェクトを牽引してきた弊社プリンティングディレクター熊倉桂三が2023年4月に急逝致しました。これまでの氏の功績と受け継がれた想いを胸に、本年もカレンダーを皆様のお手元にお届けします。
昨年に引き続き、デザインはグラフィックデザイナーの橋詰冬樹氏、プリンティングディレクターは弊社 西谷内和枝が担当しております。
光の中のグラデーション
今回のカレンダーは「時空」をイメージしたデザインです。デザイナーとプリンティングディレクターで選定したキーカラーを軸に、木漏れ日のような滑らかなグラデーションを作成。弊社初となる特色6色の掛け合わせの印刷を行うことで、より透明感と明度の高いグラデーションを紙面に表現しています。
デザインコンセプトである「時空」は、特色6色のグラデーションの上に2度の銀印刷を施し、同心円状に広がる365個のスクエアで表現されています。
中心に配置された最も小さなスクエアは、弊社の創業(源流)を象徴しています。このスクエアを起点に、100年以上の歳月をかけて広がった事業領域やお客様との関係、そしてさらなる拡大と展開を「時空」という言葉で表しました。
また、銀のスクエアからのぞくグラデーションは、見る距離や角度によって色が変化し、まるでレンチキュラーのような視覚効果を生み出します。100余年の歴史の中で事業領域を大きく広げ、多彩な顔を持つ弊社を、このカレンダーに表現しました。
2025年もYPP CALENDARをお楽しみください。
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2025 YPP CALENDAR
企画 ︱ 山田康智
製版・印刷 ︱ 株式会社山田写真製版所
プリンティングディレクション ︱ 西谷内和枝
印刷機機長 ︱ 谷井二朗
グラフィックデザイン ︱ 橋詰冬樹(TOR DESIGN)
進行 ︱ 澤崎達雄
網点形状 ︱ FMスクリーン+AMスクリーン
印刷機 ︱ HEIDELBERG SPEEDMASTER SM-102-10-P6-S・10色印刷機
用紙 ︱ ミセスB‐Fスーパーホワイト〈46〉180㎏
使用色
・PANTONE318C(FM)
・PANTONE243C(175L)
・PANTONE106C(175L)
・PANTONE210C(175L)
・PANTONE332C(175L)
・PANTONE2102C(FM)
・Black:黒 ※平日玉(FM)
・Silver1銀1 ※グラフィック版1回目+休祝日玉(FM)
・Silver2銀2 ※グラフィック版2回目(FM)